サッカーを始めたのはあなたのおかげです。この場をお借りしてお礼申し上げたいと思います。「Muchas Gracias.」

 前回はインタビュー形式で自分語りをしてみましたが、案外気持ちのいいものではないことに気付きました。ええ、気付きました。

 

 まぁ、気分が乗ったらまたやるかもしれないですが、今回は違う形で自分について語ろうと思う次第です。

 

 いきなりですが、自分はサッカーが好きです。中学校から大学まで約9年半サッカー部として活動してきました。

 

 自分がサッカーを始めたのは、2002年W杯がきっかけです。当時小学校高学年だった自分は、父親と父親の会社の人と賭けをしていました。

 

 賭けの内容は他愛のないもので、どの国が優勝するのかというものでした。

 

 この賭けをするまで自分は、「カナリア軍団て何?」、「はっ?ドイツってどこ?」、「中田って誰?」というようにサッカーの知識は皆無でした。

 

 知識がないながらも賭けをするには、優勝しそうな強い国を選ばなければなりません。

 

 自分は、国旗がかっこいいこと、ユニフォームがかっこいいということからアルゼンチンを選びました。

 

 この時の掛け金は500円と、当時お小遣いが1000円の自分からしては破格の値段でした。

 

 アルゼンチンは南米の強豪チームで、過去に優勝したことがあると父親から聞いていた自分は、アルゼンチンにお小遣いの半分を託しました。

 

 自分は必死にアルゼンチンを応援し、彼らのプレーを固唾をのんで観戦していました。

 

 アルゼンチンがナイジェリアに勝った時には、「アルゼンチンってチ〇コみたいな名前だけどつえー」と子供ながらの下品な発想で喜んでいたのを覚えています。

 

 しかし、アルゼンチンがイングランドのワンダーボーイに翻弄され、イングランドの貴公子にPKを決められた時には、もう必死になってベッカムを恨みました。

 

 この時、母親にベッカムと同じ髪型にされていた自分は、それも相まってか「ベッカム、フ〇ック」と当時習っていた英会話を存分に使って、流暢に罵っていました。

 

 その後、アルゼンチンはスウェーデンに引き分け、自分が並々ならぬ期待を掛けていたセレステ・イ・ブランコはあっけなく2002年W杯を去ることとなりました。

 

 この時、必死になって500円を死守したのを覚えています。ベッカムヘアーのぽっちゃり小学生が半べそをかきながら、「勘弁してくれよ-、勘弁してくれよ-」と言っているにも関わらず問答無用に500円を徴収されたのは、社会の厳しさを教えるための父親なりの愛情だったのかなと今では思えます。

 

 アルゼンチンが負け、500円を失ったものの、自分はあるアルゼンチン選手に異様に惹かれていました。

 

 金色の長い髪をなびかせて、力強くプレーし、ナイジェリアに豪快なヘッドを決めた、バティストゥータ選手に自分は何故か惹かれていました。

 

 サッカーを始めるきっかけとなったのは、獅子王バティストゥータ選手でした。

 

 先ほども書いたのですが自分はこの当時ぽっちゃりしていました。160cm、60kgの小学生でした。正直ぽっちゃりではなく、デブでした。

 

 デブの自分は、クラスの女子にアンパンマンと呼ばれていたり、下校中にすれ違った中学生に「でかっ、小学生かよ」と言われるなど何とも言えない経験をしていました。

 

 そんな中、突如テレビに現れた金髪のサッカー選手が、一人の小学生に夢を与えるのはもの凄く簡単なことでした。

 

 こんなサッカー選手になりたいという思いよりも、こんなかっこいい金髪ロンゲになりたいと思っていたことは内緒の話です。

 

 アンパンマンと呼ばれていたベッカムヘアーのデブな小学生は、獅子王バティストゥータをきっかけにサッカーにどっぷりはまり、大学までの約9年半もの時間をサッカーに費やすことになりました。

 

 以上が自分がサッカーを始めるきっかけとなった自分語りです。こっちの方がインタビュー形式よりもしっくりくるのは多分気のせいなのでしょうか。

 

 これを書くにあたって、当時のゴールシーンを見てみたのですが、アルゼンチン代表には金髪ロンゲや黒ロンゲなど長髪の選手が多かったです。ゴールを決めたのは紛れもなくバティストゥータでしたが、もしかしたら、他の選手とバティストゥータを勘違いしているかもしれません。自分がサッカーを始めたきっかけが、獅子王であることを切に願うばかりです。

 

 もしバティストゥータに会うことがあるのならば、もし会えたのならば自分は彼を抱きしめ、「ありがとうバティストゥータ」と涙ながらに言いたいと今でも思っています。

                       ありがとうバティストゥータ

 

 *余談

 女性が太っている自分を「デブじゃないよぽっちゃりだよ」というのは何故なのか、今日のブログを書いてみて感じることができました。

 

 やはり公衆の面前に晒すのだから見え張ってもいいじゃんと途中ぽっちゃりと表現したのですが、嘘はよくないですね。女性が言っていたあのぽっちゃりという異様に幅広い基準は見栄からくるものなんですかね。